頭部の多汗症は厄介なもの

ワキ汗の場合、セルフケアが間に合わないほど多量の汗が出る場合治療が必要ですが、少量ならば服に吸い取られ蒸発しますし、制汗スプレーや拭き取るシートなどで清潔に保つなど対策のしようがあります。しかし頭皮は髪の毛で覆われているため対策が難しく、髪がベタついたり、顔に滴り落ちメイクを台無しにしてしまうことも。

汗は暑いときや、辛味・酸味を感じて出る味覚性発汗のほか、緊張やストレスによる精神性発汗などもあるので、気にしすぎるとますます汗の量は増し、悪循環になってしまいます。顔汗を拭くためのハンカチが一年中手放せない、額からの汗が滴り目に入ってしみるなど、日常生活で不都合を感じる方は、一度クリニックへ相談したほうが良いかもしれません。

頭部の多汗症治療について

ワキの多汗症は、外科手術や注射、セルフケアだと制汗剤など、多岐に渡る予防法や治療法がありますが、頭皮の多汗症治療は今のところ注射のみです。また、ワキの多汗症治療は「日常生活に支障が生じるほど多くのワキ汗が出る」と認められた場合、保険適用となりますが、頭部の多汗症注射は自費となります。

頭部への多汗症注射は、髪の生え際（おでこ）から4～5cmの範囲にかけて、満遍なく薬剤を注入。注入できる範囲は、頭部全体ではなく前頭部から耳の上あたりまでが目安です。薬剤の特性上、永久的な効果は望めませんが、ワンシーズン程度は効果が期待できますし、定期的に受けることで効果の持続時間も長くなります。

多量の汗は体質もありますが、悩んで気にしすぎているせいも考えられます。医師に相談し、適切な治療を受ければ、汗の減少はもちろん、心も軽くなり日常生活が快適になるはずです。ぜひ一度クリニックで相談してみてください。

（安田 みゆき）

執筆者：alluxe編集部