コンタクトの長期使用者は眼瞼下垂のリスクがアップ

コンタクトレンズ中でも特にハードコンタクトレンズを長期にわたって使っている人は、眼瞼下垂（がんけんかすい）のリスクが使っていない人の20～100倍になるというデータがあります。ソフトコンタクトも例外ではありません。
眼瞼下垂とはまぶたが開きにくくなり、黒目の上にかぶさってしまうことを言います。目つきが眠そうになるだけでなく、肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。

眼瞼下垂になる原因は

眼瞼下垂というあまり耳慣れない症状は、NHKの「ガッテン！」で紹介され、一般でも知られるようになりました。

まぶたのたるみ＝眼瞼下垂は先天性のものと後天性のものとに分かれます。先天性のものは生まれつき赤ちゃんの頃から上まぶたを上げる筋肉の働きが弱いことによって起こります。
後天性のもので一番多いのは加齢によって発生します。しかし最近よく見られるのは若い人の眼瞼下垂です。
眼瞼下垂の原因となるのは、花粉症やアレルギー、メイク落としなどでまぶたを強くこすること。そしてコンタクトレンズを外す時に、強く引っ張ることも原因となります。そしてハードレンズはなかなか外れないので、強めにまぶたを引っ張ることが多くなり注意が必要です。レンズを外す際に専用のスポイトを使うとよいでしょう。また、下まぶたを押さえた指を押し上げる方法もよいですね。
ソフトレンズの場合は、炎症や感染によって眼瞼下垂の可能性があるといいます。ワンデーの使い捨てレンズを使う、眼にしっかりと合った清潔なレンズを使用するなどにより、その可能性が低くなります。

見えにくい？と思ったら早めにクリニックへ

もしまぶたが普段から重いと感じたり、無意識にあごを突き出して物を見ているような人は、迷わず専門のクリニックに相談しましょう。そのままにしておくと視力が下がったり、重症化する恐れも。症状の軽いうちなら切らずに治せる方法もありますし、健康保険が適用される場合もあります。

コンタクトを長年使っているとこんなことも…

「コンタクトレンズの使用年数＝20年から25年ほど」と言われています。その理由は角膜内皮細胞の減少にあります。
角膜内皮細胞は角膜の一番内側の層にあって、角膜に水分や栄養を送り込み、コンディションを整える役割をしています。コンタクトレンズを使用すると、酸素を取り込む量が減っていき角膜内皮細胞が死んでしまうのです。やがて角膜全体のコンディションが悪くなり、角膜がにごるなどの症状が起きます。

現代人の生活になくてはならないコンタクトレンズですが、正しい使い方をしないと、まぶたがたるんだり見えにくくなったりということになりかねません。毎日の事なのでおざなりになりがちですが、今日から少しだけ気をつけてみませんか。

（佐藤マキコ）

執筆者：alluxe編集部