その症状、本当に酸蝕歯が原因なの？

一般に歯が酸が溶けると言うとまず虫歯を疑うことからもわかるように、その症状が本当に酸蝕歯が原因なのかどうかをまず判断することが大事です。
虫歯も酸蝕歯も「酸によって歯が溶ける」という点では同じですが、食生活や生活習慣を改善することで進行を止めることができる酸蝕歯とは異なり、虫歯の場合は酸を作り出す虫歯菌ごと除去しないと症状は治まらないからです。
「酸蝕歯かな？」と疑う症状が出た場合は自己判断をせずにまずは歯科医院へ赴き、歯科医師の診断を受けるようにしてください。

酸蝕歯が原因と確定できた場合の治療

軽度の酸蝕歯の場合

わずかに歯の表面がざらざらしていたり、歯の先が少し透けて見える程度であれば、軽度の酸蝕歯ということになります。この段階であれば、進行が止まれば問題がないことが多いので、原因となっている食習慣(だらだら食べや、お酢や梅干しなど酸性の強いものを多く食べているなど)を改善すれば十分と言えます。 ただ、もう一度進行してしまった場合に迅速な処置がとれるよう、定期的に歯科医院で検診を受けることをおススメします。

中度以上の酸蝕歯の場合

もしも歯の中でも最も硬くて丈夫なエナメル質が溶けてしまって、その内側にある軟らかい象牙質が露出してしまった場合は、歯科医院での治療が必要となります。 基本的には軽度の場合と同じで、まずは食習慣の改善を行い進行を止めること、そして同時に、溶けてしまった部分を補う治療が必要となります。 欠損を補う治療は基本的には虫歯治療の場合と同様です。

コンポジットレジン

虫歯治療にも用いられる白いコンポジットレジンで歯の表面に出来てしまったくぼみを埋めていきます。軽度の虫歯の治療とほとんど同じ処置です。

クラウン

もし歯が大きく溶けてしまっていた場合には、抜髄処置をしてクラウンで覆う治療を行います。神経まで達した深い虫歯と同じ治療です。

ラミネートべニア

酸蝕歯になりやすい前歯の治療に適用される方法で、0.5mmほど歯の表面を削って、ネイルチップのように白い板を貼りつけ、歯の表面を覆っていきます。
酸蝕歯になって歯が黄ばんでしまった場合に美しい歯を取り戻せるため、審美目的の自費治療となります。

（サクマユウナ）

執筆者：alluxe編集部

酸蝕歯についての詳しい解説及び予防法はコチラ→ 歯が溶ける？ 気をつけたい酸蝕歯の実態とその予防法